がんとともに生きる 201201
抗がん剤治療を始めてから、5か月が過ぎ、明日から、7クール目。
思ったよりも、続けられている(笑)
さて、『緩和ケア』と聞くと、終末期に、もう治療の術もなく、
あとに残された時間を過ごすためだけのケアと思っている方が多いのですが、
実は『緩和ケア』というのは、がんの早期治療から始まっているものなのです。
つまり、がんに伴うからだと心の痛みを和らげ、生活上の支障を
可能な限り取り除き、日常生活やその人らしさを大切にする考え方から
行われる治療が緩和するケアなのです。
WHO(世界保健機関)による緩和ケアの定義(2002年)
緩和ケアとは、生命を脅かす疾患による問題に直面している患者とその家族に
対して、痛みやその他の身体的問題、心理社会的問題、スピリチュアルな問題を
早期に発見し、的確なアセスメントと対処(治療・処置)を行うことによって、
苦しみを予防し、和らげることで、クオリティー・オブ・ライフ(QOL:生活の質)を
改善するアプローチである。
がん情報サービス
緩和ケアを、がんの進行した患者に対するケアと誤解し「まだ緩和ケアを受ける
時期ではない」と思い込んでしまう患者さんや家族は少なくないでしょう。
実際に、私もがんになるまでは、緩和ケアとは、最期の治療と思っていました。
がん治療には、多くの場合、痛みや吐き気、倦怠感など身体的に
辛い副作用があります。
また、ひどく落ち込んだり、苛立ったり、落ち着かなかったり、眠れないと
いった精神的な不安を伴うこともあるでしょう。
痛みと水のベッドをバック下げる
そして、がんそのものの痛みもあります。
痛みが強いままではがんの治療もつらく、また生活への影響も大きくなってしまいます。
だからこそ、痛みや吐き気、食欲不振、だるさ、気分の落ち込み、孤独感などに
対して適切な治療やケアを受けることは、生活を守り、自分らしさを
保つことにつながります。
緩和ケアは、最期の治療ではなく、治療の早期の段階から受けることが
できるものなのです。
実際に、早い段階から緩和ケアを受けた患者の生存率は高くなっているそうです。
痛みや生活の支障が少しでも緩和されれば、治療に対する意欲もわいてきます。
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具体的な緩和ケアとは
【1】自分の病気を知り、治療法の選択を助ける支援
【2】がん痛み、副作用などのつらい症状を取り除くケア
・ 痛みを取り除く
・ 痛み以外の様々な症状を取り除く
【3】日常生活を取り戻すケア
・ お食事を楽しむケア
・ 苦痛や不快感を最低限にするための排泄のケア
・ 夜にぐっすり眠れるようにするためのケア
・ 好きな姿勢をとったり、自然な体位や寝返りをうつケア
・ からだをきれいに保つケア
・ 患者さんにとって心地よい環境を提供するケア
【4】こころのふれあいを大切にし、元気になるケア
・自分の存在や生きる意味についての悩み
・不安や気分の落ち込み
【5】家族へのケア
【6】自宅でも、緩和ケアを受けられるようにする
【7】生活における側面での経済面、福祉制度、医療費の問題、
転院や自宅での在宅療養について
緩和ケアを受けるには、主に緩和ケア病棟への入院という方法と、
緩和ケアチームによる診療という2つの方法があります。
また、がん診療連携拠点病院の指定を受けている医療機関は、
緩和ケアに対応できる機能を持っています。現在は外来診療や
在宅療養についても対応が進んでいます。
減量メソセラピー
私の治療を受けている行院では、入院患者には緩和ケア病棟が、
外来・在宅治療では、緩和ケアチームが対応しています。
緩和ケアチームには、主治医や看護師、薬剤師・ソーシャルワーカー
(医療社会福祉士)だけでなく、カウンセラーや栄養士、リハビリのための
理学療法士・作業療法士も関わります。
静岡県立静岡がんセンター(同県長泉町)では緩和チームの取り組み
(東京新聞より)
「痛みで寝られない」「食べても吐いてしまう」-。
静岡がんセンターの緩和医療科の外来で、患者がさまざまな苦痛を訴える。
訪れるのは、抗がん剤や放射線による通院治療を受けている人、
緩和ケア病棟の入院待ちの人など。
がんと診断されて間もない人もいる。
診療科の主治医も必要に応じて痛み止めなどの基本的な緩和ケアを施す。
緩和医療科が担当するのは痛みの症状がひどい人、薬で痛みが減った代わりに
新たな副作用に苦しむ人など、専門的な関わりが必要な患者だ。
同科部長の大坂巌さんは「痛みで食欲が落ち、体力が低下すれば、
がんの治療に支障が出る。そうならないよう、症状が出たら早く手を打つのが、
今の緩和ケアの流れ」。
早く緩和ケアを受ければ苦痛が早く取り除かれ、生活の質が上がる。
ケアで生存期間が延びるという報告もある。
診察では、苦痛の原因を探り、対策を考える。痛み止めの薬の専門知識を生かし、
薬を最適な量に調整する。
苦痛の原因が薬の副作用なら、症状の出にくい薬に変える。
無報酬で受診後のフォローもする。副作用などが心配な患者には診察の数日後、
電話で症状を確認、必要な指示をする。受診患者からの電話相談も受ける。
診察には、心理療法士が同席。患者のストレスがひどい場合は、診察後も話を聴く。
心のケアも、緩和ケアの一環だ。
センターには緩和ケア病棟があるが、一般病棟でも、緩和ケアチームに
よる専門のケアがなされている。
緩和ケアの専門医、心をケアする腫瘍精神科医、心理療法士、看護師、
薬剤師で組織。患者の異変に看護師が気付いたら、主治医と連絡を取りつつ、
緩和ケアチームに介入を要請。
主治医に限らず、病院スタッフの誰もが要請できるようになっている。
患者の中には、医療用麻薬への拒否感で服薬を拒む人も。そんな時は、
チームの中の薬剤師の出番。
「依存性がある」などの誤解を解き、時間をかけて説明する。
抑うつ状態の患者には主に、腫瘍精神科医と心理療法士が関わる。
うつ病と判断すれば、精神科医を中心に服薬などのうつ病治療をする。
話をじっくり聴くことで、精神的な苦痛を和らげられそうなら、心理療法士が前面に出る。
むくみで足が痛む患者には、チーム外の作業療法士が足をマッサージして
症状を和らげることも。
緩和ケアに精通した専門職が、持ち味を生かして患者を支える。
大坂さんは「患者がつらいと思ったとき、すぐに効果的な対策を取ることが大事」と話している。
私も、緩和ケアとは何かを知ったことで、今後の治療や自分のがんの進行に
対しての不安が小さくなりました。
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