2012年4月13日金曜日

8割以上が新型インフルエンザに不安|喘息(ぜんそく)最新ニュース|Zensoku.jp 喘息(ぜんそく)の総合情報サイト


喘息などの呼吸器疾患を持つ患者さんは、インフルエンザ感染によるリスクが高いとされています。ニューヨーク市における事例では、新型インフルエンザによる死亡者の約1/4が喘息を含む呼吸器障害を持っていたとの報告もあります。

新型インフルエンザの感染拡大が続く中、喘息患者さんが新型インフルエンザの流行に関してどのように感じ、行動しているかを探るため、全国の喘息患者さん500人を対象にインターネットによるアンケート調査を行いました。

その結果、8割以上の患者さんが新型インフルエンザに不安を感じているものの、医師に相談したり、医師から説明を受けている患者さんは全体の2 割と少ないことがわかりました。喘息患者さんは、インフルエンザなどのウイルス感染症にかかった時の喘息症状の重症化(急性増悪)を防ぐためにも日常の喘息コントロールをしっかり行うことが大切ですが、調査に参加した患者さんの42%が、喘息コントロールが「不良」の状態であり、喘息コントロールが不良の患者さんは、より大きな不安を抱えている傾向がありました。患者さんが抱えている不安が現実のものとならないためにも、喘息コントロールの意味を正しく理解していただくことが重要です。


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この調査結果について、日本アレルギー学会 理事長であり国立病院機構相模原病院 院長である秋山 一男先生は次のように述べています。

「喘息などの呼吸器疾患を持つ患者さんは、インフルエンザ感染による高リスク患者とされており、国内外での新型インフルエンザ感染による入院患者さんにおいて喘息を含む慢性呼吸器疾患の患者の割合は高いと報告されています。日頃から吸入ステロイド薬等を用いて、喘息の症状を出さない治療を継続して良好なコントロール状態を維持することによって、インフルエンザ等による喘息の重症化(急性増悪)のリスクは軽減できます。喘息患者さんには、ご自身の喘息がどの程度コントロールできているかを喘息コントロールテスト(ACT)等の客観的なツールを用いて確認し、その結果について主治医に相談していただきたいと思います。また医師には、患者さんがインフルエンザに対してどのような不安を抱えているのかを十分� ��理解し、具体的なアドバイスと共に喘息コントロールの重要性を説明した上で、良好なコントロールを維持できる治療を実施していただきたいと考えています。」

調査結果の概要は次の通りです。


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<インフルエンザに関する喘息患者さんのアンケート調査>

■目的
インフルエンザの流行を控え、喘息患者さんの現状把握、喘息コントロール状態とインフルエンザに対する知識・対策を把握する
■対象
日本国内にお住まいの20歳以上の方で、医師に喘息と診断され、過去3ヶ月間に喘息治療薬(長期管理薬)を処方された人
■人数
500人(男性:250人、女性:250人)
■方法
インターネット調査
■時期
2009年9月11日-13日

全体の82%が「喘息はインフルエンザの高リスク疾患である」ことを知っていると回答しました。また、新型インフルエンザに対して「非常に不安に感じる」「やや不安に感じる」と回答した患者さんは全体の84%で、多くの患者さんが不安を感じていることが明らかになりました。

新型インフルエンザについて不安に感じると回答した患者さんに、どのような不安を感じるかを確認すると、やはり重症化に関するものが多く、不安を感じている患者さんの73%がインフルエンザの重症化を、57%が喘息の重症化を心配していることがわかりました。


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喘息患者さんがインフルエンザにかかった時に喘息が重症化するリスクを軽減するためには、喘息の病態である気道の炎症を抑え、喘息コントロールをしっかり行うことが重要です。しかし、66%の患者さんが「過去に風邪やインフルエンザを引き金に喘息の悪化や発作を経験したことがある」と回答したにもかかわらず、「喘息のコントロールができているとインフルエンザなどによる喘息の悪化を起こすリスクが軽減される」ことを知っていると答えた患者さんは45%にとどまりました。

新型インフルエンザについて医師に「相談した」または「説明を受けた」とする回答は、全体の20%にとどまりました。患者さんは重症化に対する不安を持ちながらも、専門家からの十分な情報を得ていないと考えられます。医師に相談したと回答した患者さんの相談内容は、「インフルエンザの予防」「喘息患者のリスク」などでした。


喘息コントロールテスト(ACT)の結果から、喘息コントロール状態で患者さんを分けて検討したところ、コントロール不良の患者さんでは、過半数が新型インフルエンザを「非常に不安に感じる」と答えており、コントロールが完全/良好な患者さんよりも大きな不安を抱えていることがわかりました。

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